バーコード(barcode)

バーコードとは
バーコード(barcode)は、レコードの流通と販売管理のためにジャケット背表紙などに印刷される、棒線と数字からなる識別コードである。欧米では UPC(Universal Product Code)、国際流通では EAN(European Article Number)-13 が広く使われる。日本国内向け商品では JAN(Japanese Article Number)コード(EAN-13 形式で先頭 2 桁が 45 または 49、多くは 490–499)として同じ仕組みが使われる。1979 年以降に登場し、1980 年代にかけて一般化した。それ以前のオリジナル盤には無いことが多く、背表紙にコードが無い盤は初版候補の手がかりになる。
品番やマトリクス・ランナウト(盤面外周の刻印)とは別物である。品番はレーベルが作品ごとに付ける商品コードである。マトリクスは盤面に刻まれた製造記録、バーコードは小売・物流向けの商品単位 ID である。版情報の登録上、品番・matrix/runout・バーコードは別欄で管理される。
バーコードと版の関係
バーコードが同じなら、流通上は同一商品として扱われる。ただし、同一バーコードの下で再プレスや再発が続くことはある。背表紙のコードは変わらず、盤のランナウトだけが製造ロット(プレス run)ごとに変わる、という組み合わせは珍しくない。同じ数字でも run を読まないと、静かさの差は分からない。
逆に、バーコードが違えば別 SKU(Stock Keeping Unit、在庫管理単位)として区別される。国違い、モノラルとステレオ違い、ボックス化、デラックス版追加などで、同じ曲集でもコードは分かれる。コードの差は「別商品」であることの手がかりであって、どちらが良く鳴るかの答えではない。
バーコードは針が辿る溝には関係しない。読み取りは外装の印刷面だけで完結し、再生音には入らない。
バーコードの読み方
バーコードは、外装から版の当たりを付ける索引として使ってよい。音を決める材料ではない。
まず背表紙を読む。棒線の下の 13 桁(または UPC の 12 桁)を控え、品番・国表記・フォーマット表記と並べる。JAN の先頭桁は、登録国・向け商品の手がかりになる。
次に盤をジャケットから出し、ラベルとランナウトを読む。背表紙のバーコードが一致していても、ランナウトが違えば run や工場は別である。
静かなリードインで試聴し、ノイズや反りは盤側だけで確かめる。
コードが読めたあと、手元の資料や版情報サイトで同じ数字を探し、どの SKU に当たるか照合してもよい。
最終的に聴くのは、その盤が刻んだ音である。バーコードは商品の棚札に近く、音楽そのものの署名ではない。