インサート(insert)

インサートとは
インサート(insert)は、レコードのジャケットやゲートフォールドの中に差し込まれた別紙の付属物である。 歌詞カード、ポスター、写真カード、注文用紙、解説紙、ブックレットなどが含まれる。 盤を入れるインナースリーブとは役割が違い、インサートは盤面を保護する袋ではなく、情報や絵を追加する紙である。
アルバムの包装は、外側のジャケット、盤を守るスリーブ、盤のラベル、冊子や別紙の付属物に分けて読める。 このうちインサートは、包装そのものではなく、独立した冊子や紙片として扱われる。
欠品と付属品の完備性
インサートは、盤そのものの状態とは別に見る。 針が辿るのは溝であり、歌詞カードやポスターは再生されない。
しかし、インサートの有無は、その一枚が発売時の形にどれだけ近いかを示しうる。 通販の状態基準でも、ポスターや歌詞スリーブなどの付属物はジャケットやスリーブと同じく状態確認の対象になる。 欠品は盤そのものの状態ではなく、インサートの完備性として読む。インサートはジャケットに固定されていないことが多く、欠品や別個体の紙の混入も起こりうる。具体的な数え方と紙の状態の見方は後述する。
版を読む補助になる場合
インサートには、録音年、著作権表記、品番、広告、同時期のカタログが載ることがある。 これらは、品番やマトリクス・ランナウトと並べると、版や流通時期を読む補助になる。
ただし、インサートだけで版を断定しない。 同じタイトルの別版から来た紙が混ざる場合がある。 盤の版は、ラベル、刻印、ジャケット表記、必要ならオンラインの版情報を合わせて読む。
インサートの見方
インサートを見るときは、最初に中身を数える。 歌詞カード、ポスター、写真カード、注文用紙、ブックレットが、出品説明、裏ジャケット、帯、封入物リストと合っているかを確認する。 枚数が合わない場合は、欠品か差し替えの可能性がある。
次に紙の状態を見る。 折れ、破れ、書き込み、シミ、ホチキスのサビ、カビ臭がないかを確認する。 ポスターは広げると破れやすいので、折り目に沿ってゆっくり開く。
最後に盤を聴く。 インサートが揃っていても、盤のノイズや反りは別に起きる。 聴く目的なら盤そのものの状態を優先し、完品として残したいなら紙の揃い方も見る。 インサートは、音楽そのものを鳴らす部品ではなく、作品が手渡されたときの文脈を残す紙である。